異物検査
食品や農産物、製品等の製造工程で混入した毛髪や金属等の異物を検査・分析。混入経路などの割り出しに役立ちます。
食品・製品等の中から見つかった異物が何であるのかの検査
異物が生物片(植物・動物)だった場合、生物種DNAとの比較検査が可能
※異味・異臭・変色・汚れ等に関しての検査は受け付けておりません。
検査の特徴
point1
DNA検査、機器分析により、異物の由来や組成の解析が可能。
point2
試薬キットによる検査の内製化や技術支援も実施。混入異物への対応を多角的にサポート。
※異物スクリーニング検査キット「異物鑑定団」につきましては、弊社プロダクト部門をご覧ください。
検査方法について
生物系異物
異物の種類 | 内容 |
---|---|
動植物片 ムシ 微生物 |
植物片やタネ、骨片、毛髪、カビ、細菌など、生物由来異物全般について、DNAにて生物種の同定を行います。具体的には、異物検体のDNAを解析し、NCBIデータベースに登録されている生物種DNAとの比較を行います。この検査で明らかになるのは、異物検体のDNA(塩基配列)がデータベース上のどの生物種と一致するのかということです。 結果報告書には、DNA塩基配列の一致率が高いものから5種のリストアップとともに、所見・考察を記載いたします。 |
非生物系異物
異物の種類 | 内容 |
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金属類 | 検査にはEPMA(電子線マイクロアナライザー)という機器を使用します。 結果報告書には、異物検体に含まれる元素名とその割合を記載するとともに、電子顕微鏡による異物表面画像を記載させていただきます。 ※対照品との比較検査も可能です。 |
樹脂類 | 検査にはFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)という機器を使用します。 結果報告書には、近似樹脂名とともに、異物検体と近似樹脂類とのIRスペクトル(波形)の比較を記載します。 ※対照品との比較検査も可能です。 |
ゴム類 | 検査にはFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)という機器を使用します。 結果報告書には、近似ゴム名とともに、異物検体と近似ゴム類とのIRスペクトル(波形)の比較を記載します。 ※対照品との比較検査も可能です。 |
ヒト由来異物
性別DNA型検査
DNA解析により、試料が男女いずれに由来するのか判定いたします。
ABO式血液型DNA検査
DNA解析により、試料が下記のいずれの遺伝子型であるのか判定いたします。
血液型 | 遺伝子型 |
---|---|
A型 | AA型、AO型 |
B型 | BB型、BO型 |
O型 | OO型 |
AB型 | AB型 |
性別DNA型検査とABO式血液型DNA検査の組み合わせにより、候補者を約100分の1〜6分の1まで絞り込むことが可能です。
参考:日本人における性別×血液型の組みあわせの割合
血液型 | A型 | B型 | AB型 | O型 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
血液遺伝子型 | AA | AO | BB | BO | AB | OO |
男性 | 4% | 16% | 1% | 9% | 5% | 15% |
女性 | 4% | 16% | 1% | 9% | 5% | 15% |
参考:DNAの抽出効率
試料 | 抽出効率 | 備考 |
---|---|---|
資材や衣類に付着した血痕 | 40〜60% | |
チューンガム | 40〜60% | シュガーレスの方が成功率は高い。 |
タバコの吸い殻 | 40% | フィルターが汚染されていないもの。 |
切手・封筒 | 20%以下 |
※いずれの場合も抽出効率は試料の量、経過年数、保存状況等によって異なります。
検査機器写真
赤外線スペクトル分析装置(FT-IR)
最も代表的な固形有機物分析法です。物質に赤外線を照射すると、その構成原子または原子団の種類により吸収される固有の光があり、測定データとデータベースを比較します。
電子線マイクロアナライザ(EPMA)
電子線を試料に照射し、試料から出てくる電子線やX線を解析することにより、試料表面の観察及び成分やその分布状態を分析する装置です。
DNAシーケンサー
検査に必要な遺伝子の情報(DNAの塩基配列)を自動的に読み取るための装置です。
デジタルマイクロスコープ
高画質であり深度合成も行なえるため、撮影時の試料破壊を最小限に抑えることが可能です。
特に、複雑な立体構造試料(ムシ等)の撮影には最適です。